2017年 04月 01日 ( 1 )

4月の天体観測です。

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春の星座のおとめ座の一等星スピカの近くにいる『木星』が観測のベストシーズンです。一ヶ月前に比べると約2時間早く見やすい位置に来るので、観測するのに夜更かしする必要もなく、お子さんに木星を見せたい方には都合が良いですね。

さて夕方に西空に明るく輝いていた金星が、もう西空には見えません。太陽との位置関係が逆になり、これからは明け方の日の出前の東の空で素晴らしい輝きを放ちはじめます。それにしても3月中旬以降の金星は見事でした。ラプトル50で見ると針金のように細く、三日月状に欠けた姿を観察する事ができました。

今月は3月に比べると、天文現象が賑やかな状態です。晴れれば見逃さないようにしてくださいね。

4月の天文現象カレンダー

3月28日が新月だったので、4月2日くらいまでは、一晩中ほとんど月明かりの影響が無く星空が良く見える時期です。また4月26日が新月なので前後数日も一晩中ほとんど月明かりの影響が無く星空が良く見えます。

4月1日(土)アルデバラン食
      水星が東方最大離角(今回条件はかなり良いです。)
4月4日(火)上弦の月 夕方に見える半月です。月の観察の好機です。クレーターがとても良く見えます!
4月8日(土)木星が衝 
4月11日(火)満月です。

4月19日(水)下弦の月 明け方の半月です。クレーターがとても良く見えます!上弦の半月とは光の当たり方が逆なので、望遠鏡で覗いて見ましょう。真夜中に東の空から昇ってきます。

4月の星空情報

⚫︎エイプリルフールの4/1(土)アルデバラン食
4月1日18時半過ぎから、おうし座の一等星アルデバランが月に隠されます。月がアルデバランを飲みこむ天文現象です。双眼鏡や望遠鏡で観察するのがオススメです。このアルデバラン食を見逃すと、東北以南で、次回条件良く見られるのは、17年後の2034年です。晴れたら絶対に見逃さないようにしましょう。(実は10月10日にもアルデバラン食があるのですが、概ね仙台市より北側でないと月に隠されないのです。その時東京では月に隠されずすれすれをかすめて行く様子が観察できます。)仙台より北側に住んでいる方は、まだチャンスがあるのですが、仙台以南の方は、4/1を見逃すと、本当に2034年までアルデバラン食を見る事はできません。

前回1月9日に観察した時は、月の暗縁に隠れる様子がラプトル50クラスの5センチの小望遠鏡でも良く見えました。遠くの星なので、消えるのは本当に瞬間的で、それまで月の近くで輝いていた赤色の一等星のアルデバランが、まるで電灯のスイッチをオフにしたかのように、パチっと瞬間的に消えます!

各地の潜入時刻(左)と出現時刻(右) かっこ内は、地平線からの高度です。
出展(自然科学研究機構 国立天文台)

那覇 4月1日18時42.8分(56.9度) 4月1日19時35.0分(45.3度)
福岡 4月1日18時33.2分(54.7度) 4月1日19時44.6分(40.2度)
京都 4月1日18時40.1分(48.7度) 4月1日19時50.1分(34.6度)
東京 4月1日18時45.0分(44.4度) 4月1日19時53.2分(30.6度)
仙台 4月1日18時44.4分(43.1度) 4月1日19時51.5分(30.0度)
札幌 4月1日18時42.9分(41.7度) 4月1日19時44.9分(30.6度)

⚫︎エイプリルフールの4/1(土)水星が東方最大離角
11月上旬から中旬にかけ、太陽に一番近い軌道を公転する水星が夕方の西空で見やすくなります。水星は太陽に近い軌道を回るため、太陽からあまり離れてくれません。夕方の西空に見える東方最大離角でも太陽が沈むと、後を追いかけるようにすぐに地平線に沈んでしまうのです。そのため太陽が沈みまだ夕焼けの明るさが残るうちに見つけ出さないといけません。同じく夕方の西空で素晴らしい輝きを見せている金星と比べる1/35ほどしかないので探すのは少し大変です。しかしながら1等星の約2.5倍の0等星の明るさで輝いていると聞くと見つけやすそうに感じますが、日没後のまだ空が明るいうちに見つけないと西の地平線に沈んでしまうので、探し出すのには双眼鏡があると便利だと思います。

またこの時期は、太平洋側では大気中の水蒸気が多くなるので、かすみが少なく透明度が上がった日は、観測のチャンスです。ぜひ頑張って探して頂きたいと思います。
日没30分後の位置の案内星図です。どんどん太陽に近づいていって高度が低くなるので、4月10日位までに観察してください。

少し倍率を高めにした望遠鏡で覗くと、欠けている様子が見えるかもしれません。しかしながら望遠鏡で観察しても、同じ倍率で覗いた木星の数分の1しかないちいさな姿で、さらに地平線に近い低空なので、揺らぎの影響でぼやけてしまう事も多いです。

⚫︎木星が衝 木星が地球に接近しています。
衝とは、地球と地球の外側を回る外惑星の位置関係で、木星が太陽と180度反対方向に位置する事です。この位置関係の時は、地球と外惑星の距離が近づきます。近くという事は一番大きく明るく見えるという事になります。

ただ衝の時はいつも同じように地球に近づくかというと、そうでは無く、衝でも条件の良い時と、条件の悪い時では、結構見える大きさが違います。理由は木星の軌道はかなり楕円軌道であるからです。木星は、太陽のまわりを約12年かけて公転していますが、太陽と木星の距離は、近い時で、7億4000万kmから8億1600万kmまで大きく変化します。一方地球の軌道は真円に近く、太陽に近い時で1億4710万キロ、太陽から遠い時で1億5210万キロとその変化は僅かです。

こうして考えてみると、木星が遠日点(太陽からの距離が遠い時)の時に衝の位置関係になる(条件が悪い)のと、木星が近日点の時に衝(条件が良い)になるのでは、地球から観察すると約13パーセントも大きさ(視直径)が違う計算になります。これは“面積”ですと30%も大きくなるので当然表面の模様の見え方はかなり違ってきます。

それでは、衝以外では、木星の見える大きさはどれほど変化するのでしょうか。計算すると、地球から最も遠ざかった時で29.8秒、最も大きい時で50.1秒と約1.7倍も見える大きさが変わります。これは望遠鏡で覗いた際の見える“面積”ですと約2.9倍も違う事になりますから、これは口径5センチ(ラプトル50)と8センチ(アトラス80)の望遠鏡の能力差に近い変化で、一番近づいてくる衝の頃に天体望遠鏡で観察すれば、ラプトル50でも結構良く木星の模様が見える事を意味しています。

今回は、木星の遠日点に近いところでの衝なので、衝としては少し条件が悪いのですが、視直径30秒そこそこの時よりは、ずっと地球に近づいているので、4月8日衝を迎える木星は、条件の良いこれから1ヶ月から2ヶ月の間に木星を観察するにはもっと適している時期といえます。

木星とはどんな天体か。望遠鏡で観察すると何が見えるのか。
木星は地球の10倍以上の直径の太陽系一大きなガス惑星です。まず小型の望遠鏡で観察してよくみえるのは、2本の筋目模様です。口径6センチの望遠鏡であれば、条件さえ揃えば数本の筋目模様を見ることができます。また大赤斑とよばれる木星大気の渦も見えることがあります。その動きを詳しく観測すると、木星の自転周期は僅か9時間50分ほどである事が分かりますが、地球の10倍以上の直径の大きな惑星がこのスピードで自転しているので、望遠鏡で観察すると南北が潰れた楕円形に見えます。細かい模様を見るには、ある程度の慣れが必要です。今期良く継続的に観察することがとても重要です。
下記の模式図ほど、細かい模様を見るには、少なくと10センチの口径と大気の落ち着いた好条件が必要となります。

口径5センチのラプトル50では、2から3本の縞模様と、目を凝らせば衛星が木星の手前を横切った時に本体に落ちる衛星の影がぎりぎり見えます。

口径6センチのラプトル60やアトラス60で見えるのは、縞模様数本と縞模様の濃淡、四つの衛星と、衛星が木星の手前を横切った時に本体に落ちる影です。
口径8センチのアトラス80になると、4本の縞模様の濃淡やウネリ、衛星の影がくっきり見えるようになります。
★(ラプトル・アトラスとは天体望遠鏡の名前です)

ここに記した見える程度は、大気の揺らぎが少ない良好な条件と、日本製の高精度なレンズを使用している望遠鏡での見え方になります。またこれらの模様を見るには、ある程度観測になれる必要があります。何度も観察することによって、こうした模様を見る事ができる「観測眼」が鍛えられるのです。

木星には、63個もの衛星が回っています。地球の衛星はたったの1つですから、その数の多さには驚きますね。そのうち4つのおおきな衛星を天体望遠鏡で観察する事ができます。木星を覗くと近くにいくつか小さな星が見えますが、それが4つの衛星です。400年前のイタリアの天文学者ガリレオが見つけた事からまとめてその四つの衛星をガリレオ衛星といいます。内側の軌道からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前が付いています。それぞれ特徴的な衛星で、イオは、地球以外で初めて活火山が見つかりました。激しい火山活動は、探査機により初めて撮影されましたが、驚くべき事にその表面は全面が硫黄に覆われ衛星全体が黄色く染まっています。

エウロパは、その表面の厚い氷のしたに海が広がっていて、海洋生命が存在する可能性が指摘されています。。ガニメデは、太陽系に存在する衛星の中では最も大きく、惑星である水星よりも大きいのです。厚さ150kmのガニメデの表層の下に深さ100kmの海があり、その水の量は地球の海よりも多いという。

カリストは太陽系に存在する衛星の中ではガニメデ、タイタンに次いで3番目に大きく、太陽系の全天体の中でも水星に次いで12番目の大きさになります。エウロパ、ガニメデ、カリストの三つの衛星に関しては、衛星表層の氷の層の下に閉ざされた海が存在する事が分かり、地球外生命の存在の可能性という観点で以前よりも、探査の重要性が増しつつあるのです。

木星の4月8日 夜22時30分の位置です。
南の空高くに見えます。観察に適した時間は、概ね21時以降です。空で一番明るくほとんど瞬かないのが特徴なのですぐに見つかると思います

⚫︎春の星座が夜半に東の空に昇ってきます。

冬の星座で黄道十二星座のひとつであるふたご座の東側には、同じく十二星座かに座がいます。かに座を含めかに座の東側が春の星座ということになります。春の星座を見つけるには、まずおおぐま座の尾っぽの部分にあたる北斗七星を見つけましょう。北斗七星のひしゃくの柄(え)の部分の曲がり具合そのままに、ずーっと伸ばしていくと、うしかい座のオレンジ色の0等星アークトゥルスが見つかります。さらにその曲線を伸ばしていくと、おとめ座の白い1等星、スピカが見つかります。。おとめ座のスピカが近くに輝いており、アークトゥルスのオレンジ色とスピカの青白い色の対比から、アークトゥルスとスピカは夫婦星としても知られ、アークトゥルスが男性、スピカが女性とされています。

またアークトゥルスはアークトゥルスは、固有運動が大きい高速度星として知られる。18世紀の天文学者エドモンド ハーレーは、自身が観察したアークトゥルスの位置が、古代ギリシャで観測された位置と比較すると約1度(地上から見える月の直径で2個分)ずれていることを発見した。それはそれまで星座を構成する星は、動かないと思われていたので当時としては驚くべき発見でした。アークトゥルスは、今もおとめ座のスピカの方向に移動していて、数万年後には、アークトゥルスとスピカが非常に接近して輝くと言われています。
アークトゥルスとスピカにしし座の尾にある2等星のデネボラ(β星)を加えると大きなほぼ正三角形ができる。この3星を結んだ三角形を春の大三角といい。春の大三角の3つの星、アークトゥルス・スピカ・デネボラに、さらにりょうけん座のα星(りょうけん座で1番明るい星)3等星のコル・カロリを加えて結んだひし形を乙女座のダイヤモンドといいます。このコル・カロリは肉眼で見ると一つの星にしか見えませんが、望遠鏡で覗くと連星で二つの星が連なって見えます。やや暗めの星で市街地でなんとか見える明るさですが、春の大三角を見つければ、すぐに見つかります。

そろそろ、杉の花粉が飛び始める時期です。また春になると大気中の水蒸気も増えやや星空が霞がちの日も増えてきます。

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by sakata_kazu | 2017-04-01 11:36

散歩道の途中で満天の星


by kazu